お知らせ

No.41 第1回地方創生研究部会概要

一般社団法人 国土政策研究会
事務局だより No.41
「第1回地方創生研究部会概要」

 

【第1回地方創生研究部会の概要】
 地方創生研究部会の第1回会合が7月24日(金)午後3時から国土政策研究会に於いて開催されました。
出席者は司波寛部会長ほか9名で、
元自治省公務員部長、三重県副知事でおられました一般財団法人全国危険物安全協会理事長の上田紘士氏から
話題を提供していただいたあと熱心な議論を交わしました。
その概要を紹介いたします。
詳しくは「国土と政策」No.37(2016年1月)に掲載予定です。

1)県庁と市町村とは違う。これは明治時代からのレガシーみたいなもので、
  明治19年、知事は内務省の出先として内務大臣の任命、市長は市会の推薦により内務大臣が陛下に奏上裁可を戴き発令、
  町村長は町村会で選挙して知事の認可であった。
  現在の市町村はこの時の町村の流れを受けている。

2)市町村総合計画は平成23年から次のとおりとなった。

  地方自治法改正(平成23年5月2日)
  第2条第4項 市町村は、その事務を処理するに当たっては、議会の議決を経てその地域における総合的かつ計画的な行政の運営を図るための基本構想を定め、
  これに即して行うようにしなければならない。 ⇒ 削除
  総務大臣通知(総行行第57 号 総行市第51 号 平成23 年5月2日)抜粋
  第4 地方分権改革推進計画に基づく義務付けの廃止に関する事項
  1 市町村の基本構想に関する規定を削除することとされたこと。(旧法第2条第4項関係)
    なお、改正法の施行後も、法第96 条第2項の規定に基づき、個々の市町村がその自主的な判断により、
    引き続き現行の基本構想について議会の議決を経て策定することは可能であること。

3)現在の地方創生は地方の提案を本部が審査して支援するという上から目線であり、これはテクノポリスの時と似ている。
  中央がかまおうとするから地方が「どうすれば中央のお金がとれるか」という発想になるのであって、独自の発想が出にくくなっている。
  市町村には前を見て欲しいのに、「去年はどうだった? 国はどうだった? 県はどう言っている? 隣の町はどうしてる?」となって、
  全部横並びになってしまう。そもそも市町村には人材が育ってなく、短期間で人事異動させたのではまともな仕事は出来ない。
  補助金マニュアルに通じている人が重宝されている。

4)地方都市は自分の置かれた立地条件や都市規模の認識ができていない。
  地方都市が横浜や神戸を視察しても何の参考にもならない。

5)プレミア商品券みたいなお金の使い方は意味が無い。これは単なるばらまき。

6)集中の後には引き潮が起こる。東京23区もいずれその時が来る。

7)そもそも住民登録と実際の居所とは食い違っており、国勢調査さえ必ずしも正しくは無い。これも将来展望を難しくしている。

8)ふるさと納税は必ずしも大きなお金にはならない。国会議員は積極的な人が多いが、法定外地方税で独自の財源を見つける方が良い。

9)日本は何事につけても従来どおりが好きだから、道州制にはなかなかならない。

10)平成の大合併は、介護保険など小さな市町村ではやりきれない事務が増えているので仕方がなかった面もある。

11)トラック輸送を活用した小さな工場の誘致、小水力発電などの再生エネルギーの活用による産業誘致など、地方でやれることはいっぱいあるが、やる気のある人が地方には少ない。

12)次回は9月7日午後3時、宇都宮再生の方向などを議論しよう。

 以上です。9月7日の第2回研究部会に、興味ある方の参加を期待いたします。
参加希望者は事務局にご連絡ください。

【夏休みの日程】
 本年の夏休みは8月13(木)、14(金)日と致します。
皆様も暑さに負けずご自愛くださいますようお願い申し上げます。

国土政策研究会事務局
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